📖告白（本）

2024-05-28

各章が個人の語りだけで構成されてるのがまずすごい客観描写はまったくない
それでも読みにくいわけではなく、まるで独白を直接聞いているのかのよう
僕の経験不足かもしれないが、こういう本の書き方もあるんだ、と驚きながら読み勧めた語りの内容は当人にとって本物だが、その中身は独善的な言い訳、贖罪、嘘、思い込みから構成されている用に感じられる最終的に救いもないもないのもすごいが、全員の視点でそれぞれに対して語り手に嫌悪感を感じる
ある章ではその他の人に同情も感じたかと思えば次で叩き落されるよくある感想ではあるが、一方の視点で書かれたことを真実と捉える危うさを突きつけられた最近は本でも映画でもアニメでもあらすじや評価を見てから本編に行くことが多かったが、この本はそれをしなくてよかったと思う。
あらすじや要素を先に聞いていたら多分ふーんという感じで読み勧めたと思う。
劇的だったり血生臭かったりトリックがすごかったりというわけではないのに、この先はどうなるんだ？とじわじわと悩みながら読む感覚は新鮮だった。
難しいトリックのある本などは、それに悩むことはあるだろうけど、「（時系列はごちゃまぜになっているばあいはあるが）事件が起きる→誰かが推理する→解決する」というのはかわらない。

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