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HitBTC で日本人が KYC 認証をして資産を救出する(2020 年版)
2020-12-11
ブログ
2025-01-28 追記
もうこの情報は絶対に役に立たないです。ただ過去ログとして残しておきたいから消さないだけなのでブラウザバックしてください。

要約

HitBTC(海外の暗号通貨取引所)は第一次暗号通貨ブームの頃に私も利用していましたが、2018年6月に日本人の利用が停止されています。通知があったようなのですが見逃しており資産が取り出せない状況になっていました。
最終的に bitbank への送金が完了したのでやったことを記します。
  • 資産が取り出せない原因は日本人だからではなく KYC(本人確認)ができていなかったため
  • KYC(本人確認)は日本人でも普通に通る
  • KYC には英語表記の証明書が必要(翻訳でも可)
  • KYC 後は出金だけではなく、取引も可能(一時的に)
  • 出金手数料とアドレスの White List に注意
要は普通に手順通り KYC を行えば問題なく出金できます。それだけ知れば満足な方はこれ以上読む必要はありません。

なぜ出金できなかったのか

出金及び取引のためには、本人確認書類の提出などを含む KYC(本人確認)を完了させる必要があります。アカウントの設定画面や出金時のエラーメッセージを読むとわかりきったことなのですが、それを解消するには問題がありました。

KYC には英語表記の証明書が必要

提出を求められる証明書は英語表記である必要があり、その対象は以下の3種類です。
  • Passport
  • Driver's license
  • National Identify document
    ※期限まで3ヶ月以内
この内、標準で英語表記なのはパスポートだけで、それ以外を使用する場合は正式な翻訳及び翻訳証明書が必要です。 私のパスポートは今年が期限でしたが、コロナ禍を理由に延長しておらず無効になっていました。そのためパスポートを新規取得するか、他の書類を翻訳して提出する必要がありました。

日本人は通らない(正確には日本にいると通らない)というネットの記事

「HitBTC KYC」と検索すると、「日本からのアクセスでは受理されない」という記事ばかり出てきます。VPN を通せば海外からのアクセスと見せる事はできますが、そもそも日本の住所が記載されている証明書を提出する時点で日本人と判定されそうです。
当面海外に出る予定はないため証明書の翻訳をしようと思いましたが、日本人ということがわかった時点で永久に資産が凍結される危険性がありそうです。

HitBTC への問い合わせと返答

先程の資産凍結のリスク&翻訳にも少しお金がかかるので、先に言質を取ろうと思い問い合わせをしました。

問い合わせ

Hello HitBTC Support team.
I am Japanese.
I would like to withdraw the cryptocurrency in my account, but can a Japanese person get it ready for withdrawal if I go through the KYC procedure?

The driver's license is ready to be translated with a translation certificate.
Thank you very much.

返答

Dear ****,

Thank you for reaching out.

We are sorry you're having trouble, but luckily the issue can be fixed quickly.

You see, your account has not been verified. Furthermore, it has been inactive for a long period of time. This puts your account and balances at risk. In order to protect you, we have temporarily restricted trading and withdrawal features on your account, but we are ready to restore them for you.

To restore your account to its full capacity, please verify your account. Fill out the KYC form here to start the procedure.

Please make sure to provide your proof of identity document with a certified translation attached or provide us with any other valid documents proving your identity in latin characters.

Please note, that a certified translation is a translated document accompanied by a signed statement from the official translator. The statement should be also notarized by a notary public.

Once everything is done, your account will automatically be restored to its full capacity and you should be able to initiate a withdrawal normally.

Please let us know if you have any questions, we are always here to help.

手を差し伸べて(?)いただきありがとうございます。

お手数をおかけして申し訳ありませんが、幸いにも問題はすぐに解決することができます。

おわかりの通り、あなたのアカウントは認証されていません。さらに、長い間アクティブではありませんでした。これはアカウントと残高を危険にさらしています。あなたを保護するために、一時的にあなたのアカウントで取引と出金機能を制限していますが、それらを復元する準備ができています。

アカウントを完全に復元するには、アカウントを認証してください。こちらのKYCフォームに必要事項をご記入の上、手続きを開始してください。

本人確認書類には翻訳文を添付するか、ラテン文字での本人確認書類を提出してください。

なお、翻訳証明書とは、正式な翻訳者の署名入りの翻訳文を添付したものです。この文書は公証人によって公証されている必要があります。

すべてが完了すると、お客様のアカウントは自動的に完全な状態に復元され、通常通りに出金を開始することができるはずです。

ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
日本人と明記して問い合わせをしたのに対し、「KYCをしろ」という以上のことは返答されなかったため普通に通ると判断できそうです。

証明書類の翻訳

私は運転免許証を提出することにします。翻訳だけなら自分でも簡単にできるのですが、ただ翻訳するだけではなく「正式な翻訳証明書」をつけて提出する必要があります。
ネットで検索した所役所などの機関ではなく一般的な翻訳業務に携わる会社で問題なさそうだったので、適当に検索して出てきた中から株式会社アクチュアルを選びました。ここを選んだ明確な理由はないのでどこでも良いと思います。
  • 費用:両面で\4000(税込み\4400)
  • 見積もり返答:1 時間以内
  • 郵送完了:発注から4日後
対応も早く、費用もそこまで高くないので普通におすすめです。

翻訳書類

translate_01.jpg
こんな感じのペライチの書類です。これに4000円を払うのは癪ですが、以下の証明書が必要だったので仕方有りません。
translate_02.jpg

KYC(本人認証)の手続き

これでようやく KYC へ移ります。5 つ項目がありますが、特に難しいことはないので順番に埋めていきます。

KYC 提出

Personal Infomation

kyc_1.png
  • 名、氏
  • 誕生日

Residentialo address

kyc_2.png
  • 住所(番地)、住所(建物)
  • 国、郵便番号
  • 都市

Proof of Identify

kyc_3.png
ここで証明書を提出します。
私は以下の5枚の写真を提出しました。
  • 運転免許証(表)
  • 運転免許証(裏)
  • 翻訳書類(表のみ)
  • 翻訳証明書(表のみ)
  • 上記4枚を全て写す

Selfie

kyc_4.png
ここで先程の書類と手書きのメモを含めた自撮り写真を提出します。
手書きのメモは以下を記載します。
  • メールアドレス
  • 日付
  • "for HitBTC."
メモを含めた上記書類をすべて持って写真を取るのは大変だったので、証明書は外して「免許証(表)」「翻訳書類」「メモ」を持った写真を提出しました。

Mobile Number

kyc_5.png
日本の場合は"+81"を選択して電話番号を入力します。SMS 認証コードが届くの入力します。
これら5つの項目を入力してリクエストを提出すると、「ちょっと時間かかるから待ってろ」という自動メールが来るので認可まで待ちます。

認可

2020-12-10 0:00 に提出し、2020-12-11 1:58 に認可されました。
一度位は不手際や日本人が理由で返されるかと思いましたが特に何もなく、届いたメールは「KYC 提出受付」「認可」の2通でした。

KYC 後の取引及び出金

手数料

HitBTC は出金手数料が馬鹿みたいに高いです。(2020/12 現在のレート換算)
  • BTC
    • 0.0015 BTC
    • 28.9 USD
    • 3005JPY
  • ETH
    • 0.0102 ETH
    • 5.91 USD
    • 615JPY
  • XRP
    • 6.38 XRP
    • 3.29 USD
    • 342JPY
  • XEM
    • 102.1 XEM
    • 26.4 USD
    • 2745JPY
この中だと XRP が USD(JPY)換算で一番安い(それでもクソ高い)ので、資産を XRP にまとめて出金します。 trans_01.png
取引は滞りなくできました。
(この画像はただ Main Account から Trading Account へ移してるだけです)

White list による48時間の出金停止

XRP にまとまったので出金しようとすると、承認確認メールはすぐに届きましたが、クリック後の遷移先で White list に登録されていないアドレスへは出金できないと言われます。White list に新しいアドレスを登録しようとすると、「48 時間出金ができなくなる」と更に言われます。
今後 HitBTC を利用するつもりはないので White list 制度を無効にしようとしますが、それも「48 時間出金ができなくなる」対象のようです。
whitelist_02.png どちらに転んでもだめなので無効にした所、無事出金が停止されました。
whitelist_01.png
reddit などでShitBTCと書いている人の気持ちがわかりますね。

48 時間経過後

48 時間経過した 2020-12-13 20:52:26 にアカウントページから引き出しを試みます。前回と同様承認確認メールはすぐ届きましたが、まだ油断はできません。 クリックすると以下のようなメッセージが表示されました。 withdraw_caution.png
日本からHitBTCにアクセスしているようです。

日本のお客様は、取引活動を停止し、未決済の取引ポジションをすべて閉鎖し、直ちにプラットフォームからすべての残高を引き出す必要があります。

その後、財産の引き出しを可能にするために必要に応じて短期間の猶予期間を設け、日本のアカウントではすべてのサービスがブロックされます。
詳細については、当社の利用規約をご覧ください。

あなたは日本の個人ユーザーですか?
今までずっと日本からアクセスして日本人だということも名言して来たのに、このタイミングで表示してきたのでびっくりしました。とはいえ猶予は設けてくれるそうなので YES をクリックします。
出金処理が無事に進んでいることがわかります。
withdraw.png すぐ後に bitbank で入金が確認できました。 deposit.png
※HitBTC と bitbank では標準時が違うのでかなり時間が経過しているように見えますが、日本標準時は UTC+9 なので、hitBTC の出金は日本時間「2020-12-13 20:43:58」です

最後に

複数通貨の端数分(通算 0.16USD 程)は HitBTC に残ってしまいましたが、無事出金することができました。 2020/12/12 は Spark Token(FXRP)の AirDrop に必要なスナップショットのタイミングで、丁度そこで停止されてしまったので、HitBTC にあった分の XRP による FXRP はもらえなさそうです。HitBTC が AirDrop に対応していればいいんですが、アナウンスも Twitter の返答も無いのでダメそうです。
今回に関しては放置していた私が悪いので、皆さんも気をつけてください。

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